【用語解説】ロスカット / 投資マニアさとるの令和の資産運用ガイド

ロスカットとは

ロスカットとは、金融取引において一定の損失が発生すると、取引業者が自動的に保有ポジションを強制的に決済する仕組みのことです。

特にFX（外国為替証拠金取引）において重要な概念であり、投資家が予期せぬ大損失から自身の資産を守るためのセーフティネットとして機能します。

ロスカットは、投資家が証拠金（保証金）として預けた資金が全て失われる前に、損失を確定させることでさらなる損失を防ぐための仕組みです。

FX取引では、レバレッジを利用することで少ない資金でも大きな取引が可能なため、相場が予想に反して大きく動いた場合、損失もその分大きくなるリスクがあります。

このため、証拠金が一定の基準を下回るとロスカットが執行され、ポジションが強制的に決済されることになります。

例えば、ある取引において必要証拠金が500万円で、ロスカットの基準が98%と設定されている場合、証拠金が490万円を下回ると自動的にロスカットが実行されます。

これにより、証拠金の全額を失うことなく、最低限の資金を保護することができます。

ロスカットの注意点として、特に相場が急激に変動した場合、ロスカットが間に合わず、預けた証拠金以上の損失が発生する可能性もあります。

このため、投資家は過度なレバレッジを避け、リスク管理を徹底することが重要です。

ロスカットを避けるための対策としては、証拠金の追加入金や、保有ポジションの一部を決済する方法があります。

追加入金を行うことで、有効比率を高めてロスカットを回避することができますが、不利な相場が続くと最終的には再度ロスカットが発動されるリスクがあるため、追加の資金投入には慎重な判断が必要です。

また、保有ポジションの一部決済も一時的な対策となり得ますが、相場が不利な方向に進む場合には、早めに損切りを行い次の取引機会に備えることが推奨されます。

ロスカットを避けるための追加証拠金の入金やポジションの一部決済は、あくまで一時的な対策に過ぎません。相場の状況を冷静に分析し、必要であれば速やかに損切りを行う決断力も重要です。損失を最小限に抑え、次の取引機会を逃さないためには、計画的な取引と迅速な対応が求められます。

ロスカットは、適切なリスク管理の一環として理解し、準備することが重要です。個人投資家がロスカットについて考えるべきポイントをいくつか挙げます。

ロスカットを対策する上で、まずは、ロスカットの仕組みをしっかりと理解することが不可欠です。

ロスカットが「どのような条件で発動されるのか」、具体的な計算方法を把握しておくことで、自身の取引におけるリスクをより正確に評価することができます。また、取引業者によってロスカットの基準やルールは異なるため、自分が利用している業者のルールを確認しておくことが大切です。

次に、適切なレバレッジの設定が求められます。レバレッジを高く設定すれば利益の可能性も高まりますが、同時に損失のリスクも増大します。

特に初心者は低レバレッジで取引を行い、リスクを抑えた方が良いでしょう。自分の資金状況やリスク許容度に応じたレバレッジ設定を心掛けましょう。