世界でも最注目の国「中国」
圧倒的な経済成長を見せる「中国」。
日本にとっては、隣国として昔から馴染みのある国ですが、2000年頃から本格的に経済成長を見せ、今や世界第2位の経済大国として、アメリカと対をなす存在と呼べるところまで発展しました。
そんな中で注目されていたのが、中国(中国企業株)への投資です。
世界一の人口を有し、圧倒的な市場規模を持って経済成長する国は、非常に投資魅力が高く、今後さらに安定的に大きく発展することを考えれば、大きなリターンが期待できると言われています。
そこで、今回はそんな中国投資について「中国」という国の経済情勢や、中国株式市場の現状や動向について、より「定量的」に調査・分析していきたいと思います。
感覚的に言われている「中国がアツい、キテいる」という話がどこまで信頼でき、評価できるのか見ていきましょう。
国家概要
国名 | 中華人民共和国 |
---|---|
首都 | 北京市 |
公用語 | 中国語 |
通貨 | 人民元(CNY) |
国家主席 | 習近平 |
面積 | 約960万㎢(4位) |
人口 | 14億4,349万人(1位) |
中国経済について
中国への投資魅力を考えるにあたって、まずは中国という国そのものの概況や経済動向から見ていきましょう。
人口や保有資源、GDPの推移などから、中国がどのような国で、どんな経済状況にあるのかを知っていきましょう。
人口規模・推移
中国の人口は14億人を超えており、多くの人がご存知の通り世界一の人口を有しています。
その人数は、日本の10倍以上、GDPが世界一のアメリカ(人口約3.3億人)の4倍以上にもなります。
参考:世界の統計2021
また、その人口バランスは、30代を中心に労働人口が多く、高齢化の進む日本と比較しても経済力の高さが期待できます。
参考:世界の統計2021
また、その人口は2030年頃まで増加を続け、2040年頃まで、20年以上も今以上の人数で推移すると予測されています。
参考:世界の統計2021
- 14億人で世界一の人口(GDP1位のアメリカの3倍、3位の日本の10倍以上)
- 労働人口となる30代が多い
- 2040年頃まで今以上の人口規模を維持
保有資源
中国はその圧倒的に広大な国土(約960万㎢、世界4位、日本の25倍以上)に豊富な天然資源を保有しています。
鉄や鉛などの主要な鉱物はもちろん、昨今注目が高まっているレアアース(レアメタル)に関しては全世界の6割を占めています。
主要資源の生産量
データ項目 | 国際順位 |
セメント | 1位 / 161ヵ国 |
合金鉄(フェロアロイ) | 1位 / 48ヵ国 |
鉄鉱石 | 3位 / 50ヵ国 |
鉛(精鉱) | 1位 / 43ヵ国 |
鉛(精錬品) | 1位 / 55ヵ国 |
レアアース | 1位 / 12ヵ国 |
チタン | 1位 / 21ヵ国 |
タングステン | 1位 / 23ヵ国 |
バナジウム | 1位 / 5ヵ国 |
亜鉛 | 1位 / 51ヵ国 |
アルミニウム | 1位 / 41ヵ国 |
ボーキサイト | 2位 / 31ヵ国 |
天然ガス | 4位 / 49ヵ国 |
石油 | 6位 / 49ヵ国 |
石炭 | 1位 / 34ヵ国 |
- 多くの資源において、世界1位レベルの高い生産量を誇る
- 特に、近年需要が高まっているレアアース(レアメタル)や重金属で1位
GDPと経済成長
中国のGDPは14兆$を超え、アメリカに次いで世界2位の経済大国になっています(3位である日本の5兆$の約3倍)
参考:世界の名目GDP 国別ランキング・推移(IMF) – Global Note
中国の脅威的なポイントは、既に世界2位の経済開国でありながらも、今なお高い経済成長率を維持している点にあります。
GDP成長率は、6.11%で213カ国23位につけており、高い推移で成長を続けています。
日本やアメリカを含めたGDPトップ5の中で群を抜いて高い成長率を誇っており、また同程度の成長率の国の中で、圧倒的に高いGDPであることがわかります。
主要国GDPと成長率
GDP(百万) | 成長率 | |
アメリカ | 20,932,750$(1位) | 2.16%(125位) |
中国 | 14,722,840$(2位) | 6.11%(23位) |
日本 | 5,048,690$(3位) | 0.67%(176位) |
ドイツ | 3,803,010$(4位) | 0.56%(178位) |
イギリス | 2,710,970$(5位) | 1.26%(154位) |
コートジボワール | 61,402$(77位) | 6.23%(22位) |
ガンビア | 1,913$(170位) | 6.06%(24位) |
全世界 | ー | 2.43% |
参考:世界の実質GDP成長率 国別ランキング・推移(国連) – Global Note
- GDPは14兆ドル超え(アメリカに次いで2位、3位日本の約3倍)
- 既に世界2位の経済大国でありながら、成長率は6%超(22位)
※同程度の成長率の国は、GDPが100位前後
中国の株式市場について
次に、中国の「株式市場」に絞ってより詳しく見ていきましょう。
見ていくポイントは
- 市場規模(時価総額)
- PER・PBR、バフェット指標
- 外国人投資家の割合
の3点です。
株式市場規模(時価総額)
中国には6つの株式市場があり、それぞれで取り扱われている銘柄が異なります。
※A株:原則として中国国内の投資家のみに取引が制限されている株式
※B株:外国人投資家にも取引が開放されている株式
それぞれの上場企業数と時価総額は以下の通りであり、既に東京の市場規模を超え、アメリカに次いで世界で2位の時価総額を誇り、売買代金でもニューヨークに迫る勢いがあることがわかります。
上場企業数 | 時価総額 | 売買代金 | |
上海証券取引所 | 1,904社 | 837兆5,866億円 | 633兆3,936億円 |
香港取引所 | 2,550社 | 735兆9,115億円 | 219兆5,377億円 |
(参考)東京証券取引所 | 2,664社 | 715兆5,247億円 | 320兆5,626億円 |
(参考)ニューヨーク証券取引所 | 1,932社 | 2,677兆520億円 | 1,296兆7,782億円 |
(参考)ロンドン証券取引所 | 1,122社 | 418兆9,632億円 | 80兆9,569億円 |
PER・PBR、バフェット指標
次に、中国株式市場の割安/割高具合についても見ていきましょう。
株式市場の割安/割高具合を判断するための指標として用いるのは「PER」「PBR」「バフェット指標」の3つです。
- PER:株価収益率=株価 ÷ 1株当たり当期純利益
- PBR:株価純資産倍率=株価 ÷ 1株当たり純資産
- バフェット指標:株式時価総額 ÷ 当該国の名目GDP ×100
※100を超えると割高とされています
中国をはじめ、主要各国の各種数値は以下の通りです。
PER | PBR | バフェット指標 | 時価総額 | GDP | |
中国 | 14.6 | 1.8 | 18.3 | 2.7兆ドル | 14.7兆ドル |
アメリカ | 37.9 | 5.0 | 183.6 | 39.3兆ドル | 21.4兆ドル |
日本 | 16.4 | 1.4 | 86.3 | 4.4兆ドル | 5.1兆ドル |
イギリス | 35.6 | 2.0 | 96.4 | 2.7兆ドル | 2.8兆ドル |
先進国 | 32.0 | 3.2 | 126.9 | 60.3兆ドル | 47.5兆ドル |
全世界 | 29.8 | 3.0 | 79.8 | 67.4兆ドル | 84.5兆ドル |
参考:世界各国のPER・PBR・時価総額 (2021年07月) – myINDEX
この数値を見ても、中国の株式市場が世界的に見てかなり割安であることがわかります(同様に日本も比較的割安です)
特に、バフェット指標の数値が非常に低く、GDPの高さを考えるとまだまだ株式市場に成長の余地があり、今後大きく株価が上がることが期待できます。
外国人投資家の割合
中国株式市場は巨大であり、世界的に注目度が高いものの、まだまだ海外資本の流入は少なく止まっています。
外国人投資家の参加は厳しく制限されており、その割合は5%未満です(日本は約30%)。
今後市場が解放され、多くの海外資本が流入した時に、株価が跳ね上がる可能性があります。
中国経済と株式市場の情勢まとめ
ここまで見てきた中国経済、そして中国の株式市場についての概況をまとめると以下のようになります。
中国経済について
- 世界最多の人口、また30代以下も多く今後も増加が期待
- 世界トップクラスの保有資源
- GDPは世界2位。加えて、上位国の中でも圧倒的に高い成長率(年6)
中国株式市場について
- 市場規模は世界2位(日本超え)
- まだまだ割安で伸び代は十分
- 海外からの参入障壁は高く、外国人投資家は非常に少ない
➡︎ 今後、市場が解放されれれば、外資の流入により株価の跳ね上がりが期待できる
中国株式に投資するには
ここまで解説してきたように中国には大きな投資魅力があります。
これから投資を始めたい人、将来的に大きな資産を築くために魅力的な市場に早期に投資したい人にとって、中国株式は、今まさに最もアツい市場でしょう。
そんな中国株式ですが、外国人投資家への規制も厳しく日本から投資するのは簡単ではありません。
中国に投資する方法は主に2つあります。
1つは中国株で運用することを目的とした投資信託です。
一般的な投資信託と同様に、中国株に投資するものも簡単に購入することができ、あまり運用資金のない人などには、ハードルが低くおすすめできます。
ですが、日本で設立・運用されている投資信託の多くは、中国の個別株に対する分析が弱かったり、中国国内情勢の変化に対する対処が遅れたりと、あまり高いパフォーマンスを残せていません。
参考:モーニングスター [ 中国・チャイナ投資ファンド一覧 ]
もう1つの方法が、中国に投資することを目的として設立されたヘッジファンドで運用することです。
中国投資のヘッジファンドはあまり多くはありませんが、最近注目のオリエントマネジメント(ORIENT MANAGEMENT)はおすすめです。
このファンドは中国に投資することを目的に設立されており、日本のファンドでありながら、国内から簡単に中国株に投資することができます。
また、このように初めから中国投資を目的に設立されているファンドは、中国株の入念な調査や投資下地づくりが既に完了しており、情報や規制の面でも優位性を保って運用されることが期待できます。
オリエントマネジメント(ORIENT MANAGEMENT)は、中国に投資するにあたって優位なシンガポールにも関係会社を拠点として持っており、日本の会社でありながら、実質的にシンガポールから中国に投資しているかのような、優位性があります。
投資魅力の高い中国株市場ですが、日本から投資するのはまだまだ簡単ではありません。
経済基盤がしっかりとしていながらも、株式市場はまだまだ発展途上であり、今後大きな成長が期待できる中国に投資するのであれば、このように中国投資に特化したヘッジファンドを活用するのも有効な手段でしょう。
投資で大きなリターンを掴むには、世の中がまだ手を出せていない魅力的な市場をいち早く察知し、先行して投資をスタートすることが非常に重要です。
これからの飛躍が期待できる中国市場に投資するのは、今が最も重要なタイミングかもしれません。