【用語解説】為替ヘッジ

為替ヘッジとは

為替ヘッジとは、外貨建て資産への投資に伴う為替変動リスクを軽減するための手法のことです。

外貨の先物取引やオプション取引を活用して、将来の為替レートの変動による損失を抑制する方法があります。これらの手法を用いることで、投資家は円換算（自国通貨菅さん）での資産価値の減少を防ぐことが可能となります。

 

海外資産に投資する場合、その資産は外貨建てで運用されることが一般的です。例えば、米国の株式や債券に投資する場合、投資元本や利回りは米ドルで表示されます。

この場合、運用自体が成功してドル建てで利益が出たとしても、為替レートが円高に振れると、円換算した際の資産価値が減少してしまうリスクがあります。為替ヘッジはこのリスクを軽減する手段として有効です。

投資信託の中には、為替ヘッジを利用した「円ヘッジ海外債券型ファンド」などがあり、これらのファンドは、為替リスクを低減した形で運用を行います。特に、為替リスクを避けたいと考える保守的な投資家や、長期的な視点で安定したリターンを求める投資家にとって、有効な投資手段となるでしょう。

 

為替ヘッジの注意点

通常、為替ヘッジは円高リスクを回避する目的で行われます。具体的には、外貨建て資産に投資を行うと同時に、将来の外貨売り円買いの先物予約を行います。この先物予約によって、将来の為替レートをあらかじめ確定させることができ、為替変動による損失を防ぐことができます。

しかし、為替ヘッジをすることで、円安局面で得られる為替差益は放棄することになります。

つまり、為替ヘッジを行うことでリスクは減少しますが、その分の利益の可能性も制限されるので注意が必要です。

 

さらに、為替ヘッジを行う際には、2国間の短期金利差に相当するヘッジコストがかかります。

例えば、日本と米国の短期金利差が大きい場合、その差額がヘッジコストとして計上されることになります。このコストは、ヘッジによるリスク軽減効果と天秤にかけて判断する必要があります。

 

為替ヘッジは海外資産への投資における為替リスクを管理するための重要な手法ですが、その実施にはコストとリスクのバランスを考慮する必要があります。適切な為替ヘッジ戦略を採用することで、投資リスクを抑えつつ安定したリターンを得ることが可能となります。