【用語解説】PBR

PBR（P/B比率）とは

PBR（株価純資産倍率）は、企業の株価がその簿価（帳簿上の価値）に対してどのように評価されているかを示す財務比率です。

具体的には、企業の一株あたりの市場価格（株価）を一株あたりの簿価（純資産）で割ったもので、この比率を通じて、投資家は企業の市場評価がその資産価値に対して割安かどうかを判断することができます。

PBRが1.0未満であれば、企業が簿価よりも市場で低く評価されていることを意味し、バリュー投資家にとっては魅力的な投資先とみなされることがあります。

また、企業の貸借対照表上の数字を基に計算されるため、財務健全性の指標としても利用されます。

 

一方でPBRは、業界やビジネスモデルに適正な水準が異なる（PBRが比較的高くなりがちな業種などがある）ため、一概に「良い」または「悪い」と断言することはできません。

 

PBRの持つ意味

PBRによって、企業が過小評価されている（＝割安）か、または適正に評価されているかを判断することができます。

特に、PBRが1.0未満の場合、市場がその企業の資産価値を低く評価していると考えられ、その株式が割安である可能性があります。

 

PBRの計算例

PBRを計算するには、まず企業の一株あたり簿価を求める必要があります。

これは企業の総資産から無形資産と総負債を差し引き、発行済み株式数で割ることで計算されます。

例）

• 企業の総資産：1億円
• 無形資産：なし
• 総負債：7500万円
• 発行済株式数：100万株
• 株価：50円/株

の場合

一株あたり簿価は（1億円 – 7500万円）÷ 100万株 = 25円となり、この企業のPBRは「50円 ÷ 25円 = 2.0」となります。

つまり、市場がこの企業の価値（＝株価）を簿価の2倍で評価していることがわかります。

PBRは、同業他社などとの比較において有効であり、この値が低いと割安と評価することができます。