【用語解説】リスク

リスクとは

金融におけるリスクは「不確実性」を指します。

リスクという言葉は、日常生活では一般的に「危険」を意味するものとして理解されていますが、金融においては、単に損失を被る可能性を示すだけでなく、予想通りにいかない可能性全てがリスクとなります。

この不確実性は、投資や経済活動において不可避であり、さまざまな形で現れます。

 

様々なリスク

現代のポートフォリオ理論におけるリスク・リターン分析では、リスクは主に「価格変動リスク」として扱われます。価格変動リスクとは、資産の市場価格が変動することによる損失のリスクを指します。

価格変動リスクを定量的に分析する際には、金融商品の過去の値動きを基に、標準偏差やベータ値といった統計指標が用いられます。

標準偏差は、データのばらつきを示す指標であり、値が大きいほどリスクが高いとされます。一方、ベータ値は市場全体の動きに対する特定の資産の感応度を示し、市場に対して資産がどの程度の変動性を持つかを測定します。

 

これ以外にも、リスクには、流動性リスク、信用リスク、カントリーリスクなど、多様な種類のリスクが存在します。

流動性リスクとは、資産を迅速に現金化できない可能性を指します。これは特に市場が閉鎖されたり、取引が停止された場合に発生することがあり、資産の売却が困難になると、望む価格での売却ができないという問題が生じます。

信用リスクは、貸し手が借り手に対して持つ債権が履行されない可能性を意味し、通常は債務者の財務状況や信用力に基づいて評価されます。

カントリーリスクは、特定の国の経済や政治の状況が原因で生じるリスクであり、その国の政策変更や政治的不安定、自然災害などがリスクの要因となります。

 

リスクとは、経済・金融の世界において、多様な形で現れる不確実性のことであり、それを適切に理解し管理することが投資や経済活動の成功につながります。リスクを完全に回避することは不可能ですが、リスクを識別し、適切な戦略を立てることで、その影響を最小限に抑えることが可能です。