【用語解説】信託財産留保額

信託財産留保額とは

信託財産留保額とは、投資信託の受益者が資金を引き出す際に、その引き出し額の一部が信託財産として留保される金額（仕組み）のことで、この金額は解約資金から控除されるため、実質的には解約手数料のような役割となっています。

信託財産留保額は、一般的に投資信託の信託約款に明記されており、その具体的な割合や計算方法は、投資信託の性質や運用方針、受益者の特性などを考慮して決定されファンドごとに異なります。投資信託を選ぶ際には、この信託財産留保額の有無やその具体的な内容を確認することが重要です。

 

信託財産留保額の意義

信託財産留保額は、ファンドの運用の安定性を確保するとともに、長期的に保有する投資家との公平性を維持することを目的としています。

投資信託の運用に必要な資金が突然大量に引き出されると、ファンドマネージャーは急いで資産を売却する必要が生じ、これが市場に悪影響を与える可能性があります。信託財産留保額は、このような事態を避けるための防御策となります。

信託財産留保額は、ファンドの資産価値を守るために使用され、急激な資金流出による運用の乱れを防ぐ役割を果たします。

 

信託財産留保額の利点としては、ファンドの運用が安定し、長期的な投資家にとって安心して投資を続けられる環境が整うことが挙げられます。

一方で、短期的な資金需要がある投資家にとっては、留保額が資金引き出しの際のコストとなりうるため注意が必要です。

このように信託財産留保額は、投資信託の運用の安定性を保ち、受益者間の公平性を確保するための重要な仕組みであり、投資信託を選択する際には、この留保額の有無とその影響を十分に理解し、自分の投資目的やスタイルに合ったファンドを選ぶことが大切です。