いわゆる「富裕層」と呼ばれる人たちは、もれなく資産運用をしていますが、実は彼らのほとんどが運用を外部のプロに任せており、自分自身で投資をしていません。
なぜ、彼らは自分自身で運用せずにプロに依頼するのでしょうか。その理由を考えてみたいと思います。
富裕層こそ自分で運用しない
「億」を超えるような資産を持つ人たちを、一般に「富裕層」と呼びます。
お医者さんや弁護士のように、高い報酬を得ている人たちが汗水流して働いて貯めている場合もあるでしょう。
自らビジネスを興し、成功させて一気に大きな富を得ている人もいるかもしれません。もっと言えば、先祖代々資産家の家系で、相続し引き継いでいる人もいるかもしれません。
いずれの形にせよ、ある一定水準以上の資産を持っている富裕層の方達は、まず間違いなく資産運用をしています。
私たちが、仮に1,000万円を年10%で運用しても100万円ですが、元手となる資産が10億円もあれば、年3%の利回りでも運用すれば3,000万円もの年収になるのだから当然です。
資産価値が1%増えたり減ったりすることのインパクトが、一般の人よりもはるかに大きいため、彼らはより慎重かつ合理的に運用しています。
そんな彼らですが、実はそのほんどが自分自身で運用していません。
皆さんのイメージの中でも、ビジネスで成功したエリートや、代々相続しているような資産家たちが、自分で株や債券の売買はしていないでしょう。
例外は「投資によって富裕層になった人たち」だけです。彼らは、例外的に富裕層になっても、変わらずに、自身で運用をしますが、富裕層になってから運用を考え始めた人のほとんどが、外部のプロの力を活用して運用をしています。
なぜ彼らは、自分自身で運用せずにプロに運用を依頼するのでしょうか。
彼らの意図と、その理由を考えていきましょう。
ヘッジファンドやプロに運用を任せる3つの理由
投資が簡単でないことを理解している
富裕層の多くが、自分自身で運用せずにプロに依頼する理由は、まずこれでしょう。
ご存知の通り、投資で長期間安定的に収益を得続けることは決して簡単ではありません。
当然のことながら、金融の知識が必要になります。企業の業績や株価の変動を分析し、適切なタイミングで売買をしなければなりませんし、自身のポートフォリオも常に考えなければいけません。
投資は必ず「人」が行っているので、金融のみならず、行動経済学や心理学も理解しておく必要があるでしょう。
富裕層にまで上り詰めるような人たちは、自身でビジネスを成功させたりできるほどですから、間違いなく優秀でしょうが、それでも自分自身で運用するのは簡単ではないと理解しています。
やはりお金のことは、お金のプロに任せるに限ります。餅は餅屋なのです。
“自称”優秀な人ほど、投資の世界では痛い目を見るのです。
そのことをきちんと理解しているからこそ、富裕層は自分自身で運用するような無茶をせず、プロに任せているのでしょう。
大きな資産を運用することは負担になる
投資・運用することは、知識や時間も必要になることはもちろん、精神的にも大きな負担になります。特に、大きな資産を運用している人こそ、その影響は大きくなるでしょう。
どんなに安定的に運用しようと思っていても、1週間や1日、1時間といった小さな単位になればなるほど、短期的な損失は避けられません。
それこそ1億円を運用していれば、1%のマイナスで100万円の損失になります。
こういった資産の変動に動じることなく、長い時間運用することは決して簡単ではありません。頭ではわかっていても、数十万〜数百万円単位で資産が変動すれば、動揺や精神的な負担は避けられないでしょう。
このように時間的・肉体的(労力)な負担のみならず、精神的な負担も付いて回るのが資産運用の難しいところです。
この点においても、外部のプロに任せることは有効な手段と言えるでしょう。
自分の時間を何に使うべきかを考えている
ここまでの理由を踏まえても、やる気と根気、そして興味がある人であれば自分自身で運用したいと考えるかもしれません。
投資にはそれ相応の大きな時間を費やす必要がありますが、それは本当にあなたが優先して取り組むべきことでしょうか?
事業をしている人であれば、ご自身のビジネスに心血を注ぐことをおすすめします。既に成功されているのであれば、そちらの分野の才覚があるのでしょう。得意分野に集中する方が得策です。
また、生きていく上でやるべきことはまだまだあります。
家庭・家族のこともあるでしょう。子育てに取り組む方がよいかもしれませんし、もしかしたら介護や看護が控えているかもしれません。趣味や自己研鑽に邁進してもいいかもしれません。
いずれにしても、投資に大きな時間を費やすことが本当に正しいことなのかはよく考える必要があります。
資産運用で考えるべきこと
このように、資産運用に本気で取り組んでいる富裕層こそ、下手に自分の力に驕らず、プロの力(ヘッジファンドなど)を活用して運用していることがわかりました。
私たち以上の金額を運用している彼らの考え方からこそ、学べるものはあります。幅広い目線で考えてみてください。