資産運用の基礎知識と注意点

インデックス投資の意味やメリット・デメリットを徹底解説

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今、インデックス投資が非常に人気です。

インデックス投資は投資初心者におすすめの投資であり、実際、新NISAでも多くの方がインデックス投資で投資をスタートしています。

2024年1月9日にはインデックスファンドの中でも人気が高い「eMAXIS(イーマクシス)Slim 全世界株式(オール・カントリー)」に1,000億円を超える資金流入があったことが話題になりました。

一部の投資家が買っただけでは、これだけの資金流入はありません。大量の買いがあったことはインデックスファンドがそれだけ注目・期待されている証左だと言えるでしょう。

 

また、一般にコツコツじっくり運用することを目的としたインデックス投資ですが、ここ数ヶ月(2024年に入ってから)は少し様子が違います。

日本を代表するインデックスである日経平均は強い上昇が続いており、日経平均株価は一時、バブル時の高値を超え、4万円をも超え、史上最高値を更新しました。

2024年の年初からの上昇率は3月5日時点で20%を超えています。

約3カ月という短期間でインデックスが20%も上昇するというのは過去の株価推移を見ても稀なことであり、ますますインデックス投資への注目が高まることが予想されます。

 

今回は、そんなインデックス投資の意味やメリット・デメリット、おすすめのインデックスファンドなどについて分かりやすく解説していきます。

これから投資を始めたい方やインデックス投資に興味のある方はぜひ最後まで読んでください。

この記事でわかること
  • インデックス投資とは
  • インデックス投資の特徴(メリット・デメリット)
  • 代表的なインデックスの種類
  • おすすめインデックスファンド

そもそもインデックスとは

インデックス投資の「インデックス(index)」とは市場全体の動きを示す指数のことです。株価指数とも言われます。

ニュースでもよく聞く、日経平均株価(日経225)やTOPIXなどは、代表的なインデックス(株価指数)の1つです。

 

例えば、東証プライムなどの上場市場には1,000以上の銘柄が上場しており、それぞれ上昇する銘柄もあれば下落する銘柄もあります。日本全体を見ると、上場会社は3900社以上もあり、1社ずつ会社を見ていても、日本経済全体のことはわかりません。

そこで頼りになるのが、日経平均のような、株式市場全体の動きを表す経済指標=インデックスです。

数多くの銘柄の集合体であるインデックスは、市場場全体の動きから経済の動向、日本の景気などを測る上で重要な指標になります。

 

インデックス投資とは

そんな「インデックス(株価指数)」に投資するのがインデックス投資です。

ですが、日経平均株価などの株価指数はあくまでも、規定に基づいて算出されたただの指数ですので、インデックスそのものに投資することはできません。

 

インデックスそのものではなく、日経平均やTOPIXなどのインデックスの動きと同じように値動きする「インデックスファンド(投資信託)」に投資することをインデックス投資と言います。

 

インデックスファンドは、インデックスの動きに連動することを目指した投資信託のことで、基本的に、連動対象となるインデックスと同じ動きをします。

例えば、日経平均をベンチマーク(基準)とするインデックスファンドであれば、日経平均が上昇すれば、投資信託の基準価額も上昇し、逆に日経平均が下がれば投資信託の基準価額は下落します。

 

インデックスには国内外に様々な種類があり、それぞれが異なる値動きをします。つまり、一口にインデックスファンドと言っても、対象となる指数が何かによって値動きが全く異なることは覚えておきましょう。

 

インデックス投資のメリット

インデックス投資(インデックスファンドに投資すること)が人気なのには当然様々なメリットがあるからです。

インデックス投資の主なメリットとして以下の4つを順に解説していきます。

インデックス投資のメリット

  • 分散投資が簡単にできる
  • 少額から投資を始められる
  • 運用はお任せ&積立も自動
  • NISAに対応しているものも多い

 

分散投資が簡単にできる

インデックスファンド(投資信託)は、一つの商品の中に多数の銘柄が入っています。

日経平均を構成する銘柄は225社あるので、日経平均に連動する(日経平均をベンチマークとする)投資信託に投資することは、その225社全体に分散して投資していることと同じ中身になります。

他にも人気の投資信託であるeMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)の構成銘柄数は約3,000銘柄です。

 

数百〜数千もの銘柄を全て買うためには莫大な莫大な資金と手間が必要になります。

 

しかし、インデックスファンド(投資信託)であれば一つの銘柄を買うだけで、簡単に分散投資ができます。

投資の世界では分散投資することはとても重要です。

いくら将来有望で世界的に有名な大企業であっても、将来何があるかは誰にも分りません。不祥事などで衰退するかも知れませんし、新しい企業にシェアを奪われるかも知れません。

一つの銘柄だけに集中して投資していた場合、その銘柄に何かあれば運用資産全体が大きく減ってしまいます。

ですが、多数の銘柄に分散して投資していれば一つの銘柄が大きく下落しても全体への影響は軽微です。

分散投資はリスクを低下させる投資の王道手法ですので、分散投資が簡単にできる点はインデックスファンドの大きなメリットと言えます。

 

少額で投資が始められる

先ほど説明したように、数百〜数千社もの株に分散投資するためには、莫大な資金が必要になります。

例えば、日経平均株価(日経225)を構成している全225社の株を1株ずつ買うには、116万3,240円必要になります。

※3月12日時点データ 参考:日経平均採用銘柄の株価一覧:日経電子版

 

このように、普通に分散投資をするには非常に多くの資金が必要になりますが、投資信託であるインデックスファンドなら、少額で投資が始められます。SBI証券や楽天証券などの大手ネット証券であれば月々100円から投資可能です。

そのため、資金に余裕の無い方でも気軽に投資を始められます。

 

投資初心者がいきなり大金を投資するのは不安があるでしょうし、リスクも高いため、おすすめしません。

ですが、投資信託であれば少額で投資可能ですので、安心して投資できます。少額投資ができるインデックスファンドは投資初心者にもおすすめです。

 

運用はお任せ&積立も自動

投資を続ける上で、定期的なポートフォリオの見直しは必ず必要になってきます。

世の中では「ほったらかし運用」などと言っている人がいますが、本当の意味でほったらかしにできる運用はそう多くはありません。

 

例えば、A社とB社の2社に50:50で分散投資することを考えてみましょう。

A社とB社の株価が違っても(当たり前ですが)、同じ金額を投資すれば資産配分は50:50になります。

ですが、株価が変動し、A社の株価が上がり、B社の株価が下がった場合、ポートフォリオにおけるA社の割合が増してしまいます。

 

それを調整するために、B社を買い増したり、A社の株の一部を売るなどしてバランスを調整しなければいけません。

これを「リバランス」と言います。

 

このように、投資をする上で、定期的なポートフォリオの見直しや、株の売買によるリバランスは必ず通らなければいけない道ですが、投資信託であるインデックスファンドであれば、常にポートフォリオの中身は適切に調整されます。

特定の株価が上がったり下がったりしても、常に対象のインデックスと同じ値動きになるように調整されながら運用されるので、私たち投資する側が細かいことを気にする必要はありません。

そのため、投資以外のプライベートな時間を重視したい方や仕事で忙しくて株式の情報を調べる時間がない方もにおすすめです。

 

また多くの証券会社で、自動積立投資にも対応しているので「月〇〇円」などと設定してしまえば、資金の出し入れもほとんど気にする必要がなく手間もかかりません。

「ほったらかし投資」ができる点もインデックスファンドの大きなメリットと言えるでしょう。

 

NISAに対応しているものも多い

インデックスファンドの多くがNISAに対応しています。

むしろNISAの対象商品になっているものは、基本的にはインデックスファンドが中心です。

そのため「これから投資をはじめたい」「まずはNISAの枠内で運用してみたい」と考えている人にとっても、インデックス投資は非常におすすめです。

 

インデックス投資のデメリット

このように様々なメリットがあるインデックス投資ですが、良い面がある一方で、当然ながら悪い面も存在します。

投資をしてから後悔しないためにも、インデックス投資のデメリットについてもしっかりと把握しておきましょう。

 

短期的に爆発的な運用リターンは得られない

インデックスファンドは多数の銘柄で構成された指数に連動するため、良くも悪くも値動きは平均的になります。

 

そのため、短期間の運用で大幅なリターンはあまり期待できません。

個別株投資であれば、短期間で株価が数倍になる銘柄もありますが、インデックスファンドではそのようなリターンを出す銘柄は無いと考えるべきです。

ただ、逆に株価が短期間で数分の1になることも考えにくいのがインデックス投資のメリットです。これは分散投資の効果が高いからとも言えます。

運用リターンが平均的な結果になることは知っておきましょう。

インデックス投資は、マーケット全体に投資するものであり、今非常に多くの人が投資しているものです。周りと差をつけることもほとんどできないでしょう。皆んなが儲かっているときに自分も得をして、相場が下がれば自分も損をします。

資産運用をする上で、銀行に預けておくよりかは遥かに有効だとは思いますが、周りと比べて相対的に利益を得たいのであればインデックス投資はおすすめできません。

インデックス投資に物足りなくなった、周りに差をつけてワンランク上の運用をしたい人はこちらも参考にしてみてください。

 

運用コストがかかる

インデックスファンドに限らず、投資信託は運用を運用会社に委託します。

自分で細かな売買などをする必要がないため、ほったらかしで運用できるメリットがある点は先ほど解説した通りですが、運用を運用会社に委託する分、運用コスト(手数料/信託報酬)がかかります。

 

信託報酬は投資信託を保有している間ずっと払い続ける手数料です。

投資信託ごとに信託報酬は異なり、一般的にインデックスファンドの手数料は安いとされていますが、自分で会社の株を買う個別株の運用であれば本来必要のなかったコストです。

このコスト(信託報酬)を支払うことで、大量の分散投資やほったらかしでのリバランスをしてもらえると考えれば、必要経費と捉えることもできます。

 

インデックスファンドを選ぶ時のポイント

インデックスファンドに投資したくても、銘柄がたくさんあってどれに投資すればよいのか分からないという人も多いでしょう。

インデックスファンドを選ぶポイントは、大きく2つあり

  • どのインデックスをベンチマークとしているか
  • どんな会社が運用しているのか

が重要になってきます。それぞれ見ていきましょう。

 

どのインデックスをベンチマークとしているか

先ほどサラッと解説しましたが、インデックス=株価指数には様々なものがあります。

日本国内で有名なものには日経平均とTOPIXがありますが、どちらも日本経済を表しているため似たような動きをする一方で、厳密には異なります。

もちろん、日本の株価指数とNYダウやS&P500などのアメリカの株価指数では全く異なる値動きをします。

インデックス投資を考えるのであれば、まずはどのインデックスをベンチマーク(指標)にするのかを考え、決める必要があります。

代表的なインデックスをいくつか紹介しておきましょう。

日本株の代表的なインデックス

  • 日経平均株価(日経225):
    日経平均株価は、東証プライム市場に上場している銘柄の中でも、大型で流動性の高い225銘柄で構成される。日経平均株価の構成銘柄には、トヨタや日立、NECなど日本を代表する企業が多く入っている。
  • TOPIX:
    東証プライム市場に上場する全銘柄が対象で、東証プライム市場全体の動きが一目で分かる。日経平均株価は大型銘柄、TOPIXは小型株を含め幅広い銘柄で構成される指数と言える。

米国株の代表的なインデックス

  • NYダウ:
    米国の優良企業30銘柄で構成された指数。古くから利用されている指数で、米国を代表するインデックスとして世界中の投資家に利用されている。
  • S&P500:
    大型株を中心に、米国を代表する500銘柄で構成されている。米国の株式市場全体の約80%をカバーしており、機関投資家などが常にチェックしている。
  • NASDAQ総合:
    NASDAQ市場に上場する全ての銘柄で構成されている。NASDAQ市場はグーグルやアップルなどハイテク企業の上場市場として知られており、ハイテク株の動向をうかがうのに適した指数です。

 

どんな会社が運用しているのか

どのインデックスをベンチマークとするかを決めたら、次はどの会社のファンドを通じてインデックス投資をするのかを考える必要があります。

例えば、TOPIXをベンチマークとするインデックスファンドは、NISAのつみたて投資枠対象商品だけで17種類もあります。

 

インデックスファンドの中で、ベンチマークに沿った運用がされないものはほとんどなく、過去の運用実績については個別に気にする必要はありませんが、インデックスファンド選びの際には運用コストを重視するようにしましょう。

先ほど述べた通り、運用(パフォーマンス)が同程度のファンドなのであれば、より手数料の安いファンドの方がリターンは高くなります。

 

インデックス投資の差は手数料の差といっても過言ではありません。

同じものに投資するのであれば、より低コストのものの方が優れているのは当然のことです。

ただし、これはパフォーマンスが同じようになるインデックスファンドを選ぶ際に気をつけたいポイントです。

インデックスファンドとは異なり、特定のベンチマークを設けず高いパフォーマンスを追求するアクティブファンド/ヘッジファンドの場合は、手数料の高いファンドの方がパフォーマンスも良くなるという統計データもあります。

どんなものに投資するのかをきちんと踏まえた上で、適切な基準で投資先を選ぶようにしましょう。

 

おすすめのインデックスファンド

最後に具体的におすすめのインデックスファンドを2つ紹介しておきましょう。

まず初めに、対象となるインデックスは

  • 全世界株式(オール・カントリー)
  • 全米株式(S&P500)

の2つです。

日経平均株価の上昇も目を見張るものがありますが、中長期的に考えた時に、より幅広く分散している全世界株式と、世界経済への影響も大きい全米株式をここではピックアップします。

 

また、それを運用するファンドですが、どちらもeMAXIS Slimシリーズがおすすめです。

eMAXIS Slimは、数あるインデックスファンドの中でも最低水準の低コスト=最安を維持しており、インデックスファンドの中では群を抜いて人気があります。それぞれについて簡単に紹介しておきましょう。

emaxis slim sp500

 

おすすめインデックスファンド① eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)

eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)、通称「オルカン」は、全世界の株式とを投資対象とし、オルカンに投資すれば世界中の株式に一括で分散投資できます。

月100円から簡単に全世界株式に分散投資ができるため投資初心者にも上級者にもおすすめのインデックスファンドです。

また、信託報酬は年0.05775%と低く、純資産総額は約2兆7,000億円(2024年3月8日現在)と運用コスト・運用実績共に申し分ありません。

初心者を中心にどんな投資家にもおすすめできるインデックスファンドです。

 

おすすめインデックスファンド② eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)

eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)は米国の株式指数S&P500を投資対象とするインデックスファンドです。

本記事でもお伝えしたように、S&P500指数にはアマゾンやアップルなど世界的に有名な大企業が多数入っています。

世界経済のリーダーである米国の中でもトップレベルの企業にまとめて投資できる点が魅力です。

米国の株式指数は長年世界株式を超えるリターンを出しており、今後も米国の成長に期待するならeMAXIS Slim 米国株式(S&P500)は有力な選択肢となります。

 

まとめ

1分でわかるまとめ
  • インデックスとは株価指数のこと
    日系平均やTOPIX、NYダウなど様々ある
  • インデックス投資とはインデックスファンドに投資すること
  • インデックス投資のメリットは
    ・手軽に分散投資
    ・少額からスタート
    ・運用はお任せ&自動積立
    ・NISA対応
  • インデックス投資のデメリットは
    ・短期で大きなリターンは狙いにくい/周りと差がつかない
    ・手数料に注意
  • インデックスファンドを選ぶときの
    ポイントは「対象インデックス」と「コスト」
  • おすすめは「全世界株式」「全米株式」×「eMAXIS Slim」

新NISAが2024年から始まったこともあり、たくさんの投資家がインデックス投資で投資のスタートを切っています。

インデックス投資は少額で投資を始めることができ、比較的リスクも低く値動きも安定しているため、これから投資を始めたいと考えている初心者の方たちにもおすすめできる運用方法です。

 

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