おすすめネット証券の手数料&取扱商品を徹底解説
株式投資や投資信託、NISAやIDeCoなど、投資 / 資産運用を始めようと思ったときに大事なのは、商品や銘柄の比較はもちろん、どの証券会社に口座を開設するか=どの証券会社で投資をするかです。
ですが、世の中にはたくさんの証券会社/ネット証券口座があり、どこの口座を開設すれば良いのかわからないという方もいらっしゃるのではないでしょうか。
もちろん会社が違えば、提供しているサービスや、それぞれの強みや弱み、お得なポイントも違ってきます。
よくわからずに口座開設をしたけど、実は他の会社のお得なポイントを取り逃して損していた…そんな風にならないためには、どこの証券会社(ネット証券口座)がおすすめなのかを知ることが大切です。
ネット証券口座を選ぶ際の基本的なポイントから、ポイントごとのランキング、そしてオススメのネット証券口座を比較・紹介していきます。
ぜひ自分にあった証券口座を選ぶ参考にしてみてください。
[総合評価]オススメのネット証券口座
- SBI証券
- 楽天証券
- マネックス証券
取扱商品の面から見たオススメのネット証券口座
- SBI証券
- 楽天証券
- マネックス証券
取引手数料の面から見たオススメのネット証券口座
- SBI証券
- 楽天証券
- auカブコム証券
ネット証券の比較の基準は?手数料/商品/機能・サービスなど
取扱商品(重要度:★★★★★)
証券会社によって、取り扱っている商品が異なります。
イメージしやすい例を挙げると、SBI証券は中国株/韓国株の取扱があるため取引が可能ですが、松井証券では中国株/韓国株の取扱がありません。
中国株への投資に挑戦したかったのに、中国株を取り扱っていない証券口座を開設してしまった、などという失敗をしないためにも、事前にきちんと下調べをしましょう。
これは外国株以外でも同様で、日本株でも証券会社によっては取引できるもの/取引できないものがあったり、投資信託や積立NISAにおいても取扱銘柄が異なります。
こうした違いを踏まえると「自分は投資信託を重視したい」などのニーズに合わせて、その商品に強い証券会社の口座を選ぶのが良いでしょう。
また、そこまで具体的な投資先が決まっていない人は、幅広い投資に対応できるよう、細かいことは考えず、とにかく取扱商品の種類が多い証券口座を持っておくというのもオススメです。
手数料(重要度:★★★★★)
せっかく投資/資産運用で資金を増やそうとしているのに、取引手数料によって資金が目減りしてしまっては意味がありませんよね。当然、手数料が低い証券会社を選ぶことがコスト面で有利です。
口座開設手数料や取引手数料は、証券会社によって異なります。また、取引手数料は「日本株」「外国株」「投資信託」「金・銀・プラチナ」など、取引する商品によっても異なります。
まずは、自分が特に取引する可能性の高い商品について、コストの比較をしてみましょう。投資初心者の方であれば「日本株」「投資信託」などにチャレンジする方が多いでしょうから、そこに絞って比較をしてみると選びやすくなると思います。
使いやすさや機能面(重要度:★★★☆☆)
口座開設後、金融商品の取引や管理に利用するWebサイトやアプリなどの使いやすさも重要です。
とはいえ、シェア上位のネット証券口座はどれも使いやすいWebサイトになっており、スマートフォン向けのアプリなどもそれぞれ充実しています。あまり差がつかない項目と言えるかもしれません。
「使いやすさ」は個人の好みによるところも大きいので、気になった口座を開設し、使ってみて判断するのがオススメです。
一方で、サービス/機能面では各証券会社によって若干の違いがあります。
資産運用をAIがサポートする「ロボアドバイザー」という機能が利用できる口座、株式や投資信託の分析ツールなどの機能を利用できる口座など、様々な特徴があるため、気になった機能があれば要チェックです。
ーーーーーーーーーーー
こうした点を比較しながら、自分にあったネット証券口座を見つけていくことが重要です。
ここからは上記の比較基準を元に、ネット証券口座の比較をしていきます。
比較対象とするのは、特に人気が高く全国で口座開設数の多い、以下6社のネット証券口座です。それぞれの特徴やメリットなどをチェックしながら、気になる証券会社を見つけてみてください。
- SBI証券:1,000万口座(2023年3月)
- 楽天証券:900万口座(2023年5月)
- 野村證券:520万口座(2023年5月)
- マネックス証券:230万口座(2023年6月)
- auカブコム証券:160万口座(2023年6月)
- 松井証券:145万口座(2023年3月)
ネット証券口座|比較ランキング:取扱商品編
取扱商品についての総評
まずは、以下の表から、それぞれの評価を見てみてください。
総評として、取扱商品という面でオススメの証券会社は、SBI証券/楽天証券/マネックス証券の3つ。便宜的に順位づけをしていますが、この3つのネット証券はどれも別々の長所があります、
それぞれの強みは、
- SBI証券は外国株式と投資信託
- 楽天証券は国内株式
- マネックス証券は国内株式と海外債券
それぞれが、トップクラスの取扱数を誇っています。
「外国株式に投資をしたい」という人はSBI証券を選ぶなど、自分の興味に合わせて証券会社を検討しましょう。
初心者の方などで「とりあえずどこかの口座を」ということであれば、メジャーな取扱商品を全て高いレベルで取り揃えている、SBI証券 / 楽天証券 / マネックス証券がオススメです。
1位:SBI証券
前述の通り、SBI証券は様々な取扱商品を全て高いレベルで取り揃えています。
表には掲載していない「FX」「先物」などの商品においても、国内トップクラスの品揃えを有しているため、色々な投資にチャレンジしてみたい方から、とりあえず口座開設をしてみたい方まで、全ての人にオススメと言えるでしょう。
また、外国株式の品揃えは圧倒的。新興国株式など、話題の投資にチャレンジしてみたい人は、SBI証券を選ぶべきです。
2位:楽天証券
楽天証券も、SBI証券と同様に、様々な取扱商品を高いレベルで取り揃えている証券会社です。こちらも、全ての人にオススメできるネット証券口座と言えるでしょう。
特に強みがあるのは、国内株式と投資信託。初心者の方が挑戦することの多いメニューに強みがあるので、初心者の方にも特にオススメです。
SBI証券と楽天証券どちらも開設しているという人も少なくありません。
3位:マネックス証券
マネックス証券も取扱商品という面では、SBI証券/楽天証券と共に、3大オススメの証券口座と言え、様々な取扱商品を十分すぎるレベルで取り揃えています。
上位2つのネット証券口座と比較すると、少し劣る部分もありますが、初心者の方にとっては十分。
別の項目を踏まえて選択したり、複数開設してみて使いやすいものを継続してみるのも良いかもしれません。
4位:野村證券
4位は野村證券です。「海外債券」が「なし」という点は気になるものの、他の項目については、楽天証券/マネックス証券などと同水準。
十分な取扱ではありますが、取扱商品という面だけで見れば、上位互換と言えるネット証券口座が複数あるため、あえて選ばなくても良いとも言えるでしょう。
5位:auカブコム証券
auカブコム証券は、国内株式4,000銘柄 / 投資信託1,600銘柄などは十分な取扱ですが、外国株式は米国のみ、債券は取扱なしという弱みも。
国内株式/投資信託という、初心者が取り組みやすい投資商品は十分取り揃えていますが、こちらも、取扱商品という面からは、あえて選ばなくても良いと言えるかも。
6位:松井証券
6位の松井証券は、残念ながらこの6社の中では色々な点で劣っています。野村證券、auカブコム証券などと同様に、上位互換となるネット証券口座があるため、あえて選ぶ必要はなさそうです。
ネット証券口座、比較ランキング:取引手数料
取引手数料についての総評
まずは、以下の表から、それぞれの評価を見てみてください。
表/以下の説明では、特に株式の取引についての比較をしています(他の取引については、公式サイトを確認してください)。
取引手数料については実はあまり大きな差がなく、上位のネット証券口座は横並びで同じ水準でのサービス提供を行っています。
総論として、SBI証券 / 楽天証券 / auカブコム証券の3つは、全ての項目が最上位で横並び。取引手数料の観点のみで考えると、この3口座から選ぶのがベストです。
マネックス / 松井証券については、上位3社と比較すると、それぞれ若干の弱みアリ。
野村證券は、取引手数料では大きく劣っています。オフラインでのサービスが充実している会社なので、そちらと並行して使うのが有効。ネット証券口座だけの利用はオススメできなさそうです。
また補足として、国内株式の取引には、1日の合計取引額に応じて取引手数料が決まる「1日定額制」と、注文(購入)ごとに取引手数料がかかる「1注文制」の2種類があります。
基本的には、1日に100万円以上取引する場合は「1注文制」が、1日に100万円以下の取引の場合は「1日定額制」が割安になっています。
1位:SBI証券 / 楽天証券 / auカブコム証券
前述の通り、3社共に同じ取引手数料の水準となっています。どの項目も業界最安値レベルになっているので、手数料の面では3口座のうちからどれかを選んでおけば、とりあえずOKと言えるでしょう。
とはいえ、細かい商品や取引金額の大小によって、若干の違いが生まれることもあるため、自分の行いたい取引について公式情報を見ながら確認をしてみてくださいね。
2位:マネックス証券 / 松井証券
この2社は、取引手数料の観点では上位の3口座と比べると若干の弱みがあります。
マネックス証券は、1日定額制に535円の手数料がかかること。その他の項目は上位3社と大きな違いはありません。
松井証券は、1日定額制の手数料無料の上限額が50万円と小さめなこと、そして1注文制の取り扱いがないことがポイントです。
こうした弱みを踏まえると、やはり上位の口座からは下位互換と言える条件となっていますので、取引手数料に関してベストを選ぶのであれば、SBI証券/楽天証券/auカブコム証券といった証券会社を選ぶのがオススメです。
3位:野村證券
野村證券は、前述の通りオンライン口座としては取引手数料が高めです。1日定額制の取り扱いがないこと、1注文制においても割高であることなどが弱みであり、あまりオススメできません。
ネット証券口座比較:使いやすさ / 機能について
冒頭で比較基準として紹介させていただいたのは、「取扱商品」「取引手数料」に加えて「使いやすさ / 機能」。
ここでは、最後の項目である「使いやすさ / 機能」について説明をします。
最重要な比較軸ではないと考えているため、詳細は割愛しますが、気になるポイントを押さえてチェックしてみてくださいね。
ネット証券口座を機能面で比較する上で、注目すべきなのは主に、
- 口座管理のアプリ
- トレーディングをサポートするツール
- AI / ロボットアドバイザーといった自動運用サービス
- オンラインセミナーなどの提供
- その他の機能
の5点です。
口座管理アプリ/トレーディングツールについては、基本的にはほぼ全てのネット証券口座が機能として提供しており、比較においては差がつきづらい部分です。それぞれ「この機能が無くて困る」といったこともほぼありません。
ですから、他の条件面で比較をしたり、口座開設をしてみて自分に合うかどうかを確かめてみるのが良いでしょう。
一方で、残りの機能については、違いがあることも。
AI / ロボットアドバイザーについては、提供していない会社もあるため、注意が必要。
オンラインセミナーについても、会社によって規模や頻度などが異なるため、どちらも「活用してみたい」と感じる方は、気になるネット証券口座がどのようなサービスを提供しているかチェックしてみてください。
また、その他機能で特に注意すべきなのは、ポイントサービスなどの運用がお得になる条件です。
例えばSBI証券は、Tポイントとの連携サービスがあり、別サービスで貯めたTポイントを投資/資産運用に活用できたり、投資/資産運用の金額に応じてTポイントを貯めることが可能です。
楽天証券では、同様に楽天ポイントの活用/獲得ができたり、楽天銀行との連携機能なども提供しています。
自分が普段活用しているサービスとの連携なども踏まえて、どの口座が自分にあっているかを調べてみると良いでしょう。
ネット証券比較まとめ:総合評価
ここまでの情報をまとめて、総合的にネット証券口座を評価していきます。
1位:SBI証券
業界最安水準の取引手数料、業界最上位の取扱銘柄数、ポイント連携やAIアドバイザーなどの機能面など、あらゆる観点で優れているのがSBI証券です。
大きなデメリットもないので、言い方は悪いですが「よくわからなくても」「とりあえず」SBI証券の口座を開設してしまっても全く問題はありません。
ネット証券口座開設数No.1というのも頷ける結果となりました。
これからネット証券口座を開設するという初心者の方、とりあえずネット証券口座を開設して投資/資産運用を始めたい、という方にも特にオススメです。
2位:楽天証券
楽天証券もSBI証券と同様に、全てが業界最高クラスのサービス提供で、SBI証券と大きな差もなく、特にオススメできるネット証券口座と言えるでしょう。
取扱銘柄の好み次第ではありますが、外国株式の取扱の少なさを鑑みて、SBI証券より1ランク下と位置付けました。
一方で、楽天銀行との連携や楽天ポイントの活用などはSBI証券には無い利点です。
普段から、楽天ショッピング / 楽天モバイル / 楽天銀行などを活用し、いわゆる「楽天経済圏」にいる方は、楽天証券を優先的に利用することをオススメします。
3位:マネックス証券
マネックス証券は、SBI証券/楽天証券からは少し劣る部分もありますが、こちらもあらゆる面で優れた水準。
SBI/楽天をおいて、あえてマネックス証券を選ぶ理由があるとすれば、ツールの使いやすさでしょうか。PC/スマートフォンのどちらにおいても、口座管理や銘柄管理の画面がシンプルで見やすいという口コミが数多く見られ、根強いファンも多いようです。
その他のネット証券口座は一段劣る部分があるため、総合力で見ると、SBI証券 / 楽天証券 / マネックス証券の中から選ぶのがオススメです。
4位:auカブコム証券
auカブコム証券は惜しくも4位に。5位/6位と比較すると、上位から大きく劣るというわけではありませんが、それでも敢えてこの証券会社を選ぶ理由は少なそうです。
一方で、投資サポート/分析ツールを高く評価しているユーザーも多いとのこと。投資中級者以上の人にとっては、ツール面で試してみても良い口座と言えるかもしれません。
5位:松井証券
松井証券も、上位陣と比べると色々な要素で劣るため、こちらをまず敢えて選ぶ必要は薄いでしょう。
こちらもauカブコム証券と同様に、独自のサポートツールが充実しています。他の証券口座を活用した上で、一味足りないという場合には開設してみて、様々な機能を体験してみるのが良さそうです。
6位:野村證券
野村證券は、特に取引手数料の高さなどから、ネット証券口座としては他のものと比較してもオススメしづらくなっています…。
そもそも野村證券は「オンライン/ネット」だけではない「総合証券会社」なので、担当営業マンがつくことに価値があるとも言えるでしょう。
インターネット/オンラインでの投資/資産運用だけでなく、営業マンの丁寧なサポートを元に資産運用を行ったり、オフラインでのセミナーに顔を出したり、そうした資産運用を志向する人にオススメです。
逆に言えば、オンラインのみでの投資/資産運用を行う場合であれば、野村證券を選ぶ必要はありません。
ネット証券口座比較:投資タイプ別のおすすめ証券会社
これまでの情報を元に、タイプ別のオススメネット証券口座を紹介していきます。自分の状況や投資タイプに合わせて、気になるネット証券口座を見つけてみてくださいね。
- 初心者の方 / とりあえずネット証券を開設したい方:SBI証券 / 楽天証券
- 楽天カード / 楽天モバイル / 楽天銀行 などを活用している方:楽天証券
- 特に、海外の株式投資に興味のある方:SBI証券
- 特に、投資信託に興味のある方:SBI証券 / 楽天証券
- 特に、債券投資に興味のある方:マネックス証券
- オフラインでのサービスを並行して活用したい方:野村證券
ネット証券口座比較[まとめ]
最後に、これまでの情報をまとめて、ネット証券口座の比較についてのポイントを整理していきましょう。
特にオススメのネット証券口座
- SBI証券
- 楽天証券
- マネックス証券
取扱商品の面から見たオススメのネット証券口座
- SBI証券
- 楽天証券
- マネックス証券
取引手数料の面から見たオススメのネット証券口座
- SBI証券
- 楽天証券
- auカブコム証券
また、ここまでネット証券口座の比較やオススメポイントを紹介しましたが、最後にお伝えしたいのは「ネット証券口座選びについて悩みすぎないこと」です。
これまでの情報を見てきて、なんとなく理解をされている方が大多数だと思いますが、人気のネット証券口座はどれも高水準のサービスを提供しており、大きな差がないことも。上位の口座を選んで「失敗した」と思うことは少ないでしょう。
その上で、ツールの使いやすさや特に気になる商品などは、人によって様々。実際に使ってみないとわからないことも少なくありません。
まずは難しく考えすぎずに、上位の口座を開設してみるというのもオススメです。