「3000万円以上の資金を増やしたいけど、何をしたら良いか分からない」
「自分にとって適切な資産運用方法を知りたい」
「どのくらい投資すれば生活できる?」
こんな悩みを持っていませんか?
今回の記事では
- 3000万円超えたら貯金だけではいけない理由
- 3000万円以上を運用するおすすめの方法
- 適切な投資手法とポートフォリオの組み方
- 各投資手法のメリット/デメリット
これらを詳しく解説します。無駄にお金を失わずに資産を増やすためにもぜひ、じっくり読んでみてください。
3000万円に限らず、他の資産クラスの運用方法についてはそれぞれ以下の記事で解説しているのそちらも参考にしてみてください。
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「今までコツコツ貯金を続けた」
「退職金を受け取った」
「贈与や相続で急に大金が入った」
このような理由で3000万円以上の資金を手に入れたけど、この先何をすればいいか分からない人も多いかもしれません。
とにかくこのまま貯金しておけばいいかなと思いがちですが、3000万円を超えたら投資を始めましょう。
なぜなら、貯金だけではもったいないしリスクもあるからです。
貯金も投資!リスクはない?
よく誤解されがちですが、利息をもらえる以上、貯金も立派な投資の1つです。
貯金も投資なので当然ながらリスクもあります。
貯金だけするのは投資先を一箇所に集中させているのと同じです。具体的に貯金で運用すると、どのようなリスクがあるのでしょうか。
- 利率が低すぎて全然増えない
- インフレで資産価値が目減りする
普通預金の年間利率は0.001%のところが多く、ほぼゼロです。3000万円を全額貯金し続けた場合、30年経っても約9000円しか増えません。
1回3000円の飲み会に3回と同じ計算なので、30年で3回飲みに行ったら無くなってしまいます。
元手資金3000万円を運用しても、30年で約9000円しか増えない金融商品に全財産を投じていいのか。このように考えると貯金に対する見方も変わってくるかもしれません。
全然増えなくても減らないから大丈夫と考える人もいるかもしれませんが、見かけの金額は変わらなくてもインフレによって資産価値が目減りする可能性があります。
以前から政府と日本銀行は年2%の物価上昇(インフレ)を目指しています。もしこれが実現し続けると、預貯金の資産価値も減り続けます。
なぜインフレが起こると資産価値が減るのか。
見た目の貯金額が変わらなくても、それで買える量が少なくなるからです。
例えば貯金3000万円をもとにスマホを買うとします。単価10万円の場合は300台買えますが、20万円に値上がりすると150台しか買えません。モノやサービスを買える量が減るので実質的に資産価値が減っています。
これを防ぐには少なくともインフレ率(=年2%)以上で資産を増やす必要があります。
給料が上がれば嬉しいですが、年2%ずつベースアップする企業はほとんどありません。給料や預貯金が期待できない以上、投資を取り入れるのは必須と言えます。
分散して資産を最大化
ただ投資すればいいわけではありません。貯金のように日本円のみに投資すると、万一何かあった時に共倒れとなり、資産は一気になくなってしまいます。
「卵は一つのカゴに盛るな」の格言もある通り、一箇所に資産を集中させるのではなく適切にポートフォリオを組み、複数のカゴに分散させましょう。
分散させることで、もし運用先の1つのカゴが壊れたとしても被害を抑えられ、別のカゴの資金は守ることができます。
3000万円をどう運用する?1分でわかるおすすめ方法まとめ
では3000万円をどのようにして運用すればいいのか。おすすめ方法を3つまとめました。
- できる限りリスク取りたくない
➡︎ 長期積立投資をプロに任せる - ある程度リスク取ってもいい
➡︎ プロに任せつつも自分の興味のある分野にも挑戦する - リスクを取ってもいいので大きいリターンが欲しい
➡︎ 自分で運用する
それぞれの内容とメリットデメリットを整理します。
長期積立投資をプロに任せる
3000万円という十分な資金が既にあるため、なるべくリスクを抑えつつ最低限の利回りが確保できれば十分という人もいるでしょう。
あるいは、「自分自身で運用する自信がない」「やっぱり投資はちょっと怖い」と感じている人もいるかもしれません。
そんな人は、優秀なファンドマネージャ(運用責任者)がいるヘッジファンドに直接運用を任せる手法がおすすめです。プロに投資をお願いすることで、安定した利回りが期待でき、また投資の経験がなくても安心して運用できるというメリットがあります。
ただし金融のプロに運用を丸投げできるメリットがある一方で、「最低投資金額が高い」「どのファンドを選べばいいか分からない」といったデメリットもあります。
ヘッジファンドであれば、手数料を差し引いても年3〜5%程度の利回りは期待できるので、最低限の資産運用としては十分でしょう。
もし優秀なファンドマネージャがいるファンドに投資できれば、それ以上のリターンを得られる可能性も十分にあります。
プロに任せつつも自分の興味のある分野にも挑戦する
ヘッジファンドを利用しつつ、投資信託なども使って自分自身の判断でも投資する方法です。
投資信託などは、長期積立てを前提に毎月コツコツ複利運用を行い、ドルコスト平均法などを使って分散投資できるメリットがあります。
投資信託は少額から始められることがメリットなので、3000万円という大きい金額を運用しようという人にとっては今更有効な手段ではありませんが、全ての資金をヘッジファンドに預けるのは不安があるという人は、並行して取り組んで見てもいいでしょう。
その際にはNISAやiDeCoなどをきちんと活用することで税制上のメリットも得られます。
自分で運用して増やす
自分で株式投資やFXなどをして資産を増やすこともできます。
自分で運用するため、プロに任せる際に発生する手数料を抑えられるのは最大のメリットです。
また基本的に安定した運用をするヘッジファンドや、積立投資が前提の投資信託などは複利効果を最大限に活かすために、長期間の運用が前提になります。
少なくとも10〜20年以上運用する必要があり、2,3年の短期間で結果を求めるものではありません。
そういった点でも、短期間に大きなリターンが欲しいのであれば自分で運用する必要があります。
ただし、全て自分で判断しなければならないので、日々の研究や情報収集、専門知識の習得は必須です。多くの時間や労力もかかり、目の前の運用状況に一喜一憂してしまうかもしれません。
今まで全く投資をしたことがない、投資の勉強や研究に多くの時間をかけたくない、仕事やプライベートなど投資以外に時間を使いたい、運用状況が気になってメンタルが持つ自信がない場合は不向きです。
資産を最大化ための基本的な考え方
せっかく投資を始めても、3000万円を一気に失っては意味がありません。
必要なリスクは取りながら守りも固める必要があります。ここではできる限り失敗を減らして資産最大化を目指す基本的な考え方を紹介します。
運用ポートフォリオを組む
3000万円は大金です。一箇所にまとめて運用して万一失敗したら一気になくなるリスクがあります。そのため必ず分散投資をしましょう。
分散することで、万一ある金融商品が破綻してしまったとしても他でカバーできます。資金がなくなってしまっても影響を最小限に抑えられ、今後何度でも挽回できます。
世の中には様々な金融商品や投資手法がありますが「これをやれば絶対に儲かる」という、万能な手法は存在しません!それぞれメリットやデメリット、向き不向きがあります。
それぞれをカバーし合う形で、異なる投資手法や金融商品を組み合わせましょう。
これを一般的に「ポートフォリオを組む」と言います。
自分でも運用方法を考える
ヘッジファンドのような金融のプロに任せる場合でも、完全に丸投げはせず自分でも運用方法を考えたり勉強を行いましょう。
ファンドに資金を入れて運用を任せていたとしても、そのヘッジファンドそのものはあなたのポートフォリオの一部です。
3000万円の大きな資産を運用するなかで、生活などに使えるお金を増やしたいと考える人も多いと思います。
- なぜ3000万円を運用するのか
- 資産がいくらまで増えたら目的を達成したといえるのか
- 生活費にいくら必要か
- 資産が増えたら何に使うのか
3000万円を運用する投資手法を考える人は多くても、増えた分をどうしたいのか、万一失敗したらどう対応するのか「出口」まで考える人は少ないです。
投資の失敗を減らすためにも入口と出口はセットで考えたいですね。細かい運用判断はプロに丸投げしたとしても、自分事として捉えましょう。
3000万円の資産運用における投資ポートフォリオの組み方
では具体的にどのように運用ポートフォリオを組めばいいのか、ニーズごとに3つに分けて紹介します。それぞれメリットデメリットがあるので、ご自身の運用スタイルを考える参考にしてみてください。
できる限りリスクとりたくない(年3〜5%)
ポートフォリオ例
- 預貯金:30%
- 投資信託:10%
- ヘッジファンド:60%
- 株式:0%
- FXや暗号資産:0%
預貯金の割合を高くし、元本の毀損を防ぎます。先述したインフレのリスクは多少残りますが、手元に資金が残るため安心感があります。
運用はヘッジファンドを中心にしましょう。プロに任せるので安心感があります。
併せて、投資信託も少し取り入れます。NISAなどの制度は有効に活用することで税金の面でお得があります。
このポートフォリオであれば、ローリスクで始められ、運用はプロに任せられるので投資以外に時間を使えるメリットがあります。
その一方で運用資金が低くなりやすく、資産が増えるまで時間がかかるデメリットがあります。
ある程度リスクとってもいい(年5〜10%)
ポートフォリオ例
- 預貯金:10%
- 投資信託:15%
- ヘッジファンド:70%
- 株式:5%
- FXや暗号資産:0%
預貯金の割合を減らし、一定以上のリターンが狙えるヘッジファンドや投資信託の割合を増やしたポートフォリオです。
それでも運用の中心をヘッジファンドにすることで、手間を抑えて安全に運用しつつもミドル以上のリターンを狙います。
残りの20%は株や投資信託にチャレンジしてみてもいいでしょう。
個別株を組み込むとリスクは上がりますが、短期的なリターンやハイリターンが狙えるようになります。
プロに任せつつ、様々な手法を組み合わせることで、資金が分散されてそれぞれの投資手法のメリットを活かせるようになります。
積極的にリスクとってもいい(年10%以上)
ポートフォリオ例
- 預貯金:10%
- 投資信託:10%
- ヘッジファンド:50%
- 株式:25%
- FXや暗号資産:5%
ヘッジファンドがメインであることには変わりありませんが、ファンドと投資信託の割合を減らし、個別株で積極的に運用する方法です。またFXや暗号資産にも投資することで、ハイリターンを狙っていくことができます。
自分で投資先をコントロールしてハイリターンを狙いやすい一方で、運用に失敗すると資産の半分近くを一気に失うような大損をする可能性もある、まさにハイリスク・ハイリターンなポートフォリオです。
年10%を超えるようなリターンを狙うということが、そもそもかなりハイリスクな目標設定です。
一般に個人投資家は年5%前後の利回りを目標にすることができれば十分だと言われています。
https://n3epa.org/5-annual-yield/
資産運用における適切な投資手法の選択
自分の運用スタイルが決まってポートフォリオの型が決まったら、それぞれ具体的にどの銘柄にするか選んでいきます。
今回はポートフォリオの組み方でも登場した、投資信託とヘッジファンド、FXや暗号資産の各投資手法のメリットやデメリットから、選び方までまとめて紹介します。
投資信託
投資信託は大きく分けてインデックス投資とアクティブ投資があります。それぞれのメリットデメリットを整理します。
インデックス投資
インデックス投資とは日経平均株価や東証株価指数TOPIX、NYダウ平均株価、S&P500などの指標に連動するタイプです。シンプルで分かりやすいのが特徴です。
メリット
- 各指標を構成する銘柄に分散投資できるので分かりやすい
- 各指標を構成する銘柄は決まっているので、投資の手間がかからない
- プロに払う手数料が低い
デメリット
- 各指標以上のリターンは期待できない
- 短期間で爆発的な利益は狙いにくい
- 世界経済に影響されやすい
アクティブ投資
アクティブ投資とは各指標を上回る運用成績を目指すタイプです。運用会社が世の中にある多数のファンドから選んでカスタマイズします。
インデックス投資よりも自由度が高いのが大きな特徴です。
インデックス投資の場合は、世界的に景気が悪化すると、その影響で各指標が下落することがありますが、、アクティブ投資の場合は景気悪化時は債権比率を上げる、景気上昇時は株式比率を上げるなどのカスタマイズがしやすく、うまく運用すれば世界経済の影響を抑えられます。
メリット
- 相場状況に合わせてポートフォリオをカスタマイズできる
- 株式や債券など、それぞれのメリットを活かした投資ができる
- 世界経済が悪くても運用成績が上がるケースもある
デメリット
- 手数料が高い
- ファンドマネージャの腕に左右されやすい
- 金融商品が複雑で分かりにくいことがある
相場の状況を見て分析しながら金融商品をカスタマイズするので人件費などのコストがかかります。そのため手数料が高くなりやすいです。
また、運用会社の質に左右されるので、インデックス投資よりも成績が悪いこともあります。
アクティブ投資は指標に関係なくカスタマイズして運用するため、金融商品の中身が複雑で分かりにくいこともあります。一般投資家が、自分はいま何に投資しているのか分からず、判断しにくいデメリットがあります。
どちらの運用手法がいいの?
「とにかく迷ったら積立NISAを活用してインデックスファンドを買っておけばいい」と主張する人も多いですが、どちらもメリットデメリットがあるので一概には言えません。
とにかく少しでもリスクを減らしたいならインデックス投資でしょうし、多少リスクをとっても世界経済に影響されにくい手法がいい場合はアクティブ投資です。
インデックスもアクティブも両方投資して分散させる人もいます。
ヘッジファンド
投資信託よりも高いリターンを狙いやすいといわれるのがヘッジファンド。
投資信託は商品を自分で選ばなければならないパターンも多いですが、ヘッジファンドは商品の選定から実際の運用など全てプロがやってくれます。
メリット
- 金融のプロに運用を丸投げできる
- 投資信託よりも高いリターンが期待できる
- 1つのファンドに投資するだけで分散投資になる
デメリット
- どこに頼めばいいか分からない
- ヘッジファンドを騙る詐欺も多い
- 最低投資金額が高い
ヘッジファンド選びの際に重要になるのは、その情報の少なさです。
投資信託はiDeCoやNISAのように一般的に情報が出回っていますが、ヘッジファンドは投資手法や顧客の情報漏れを防ぐ意味でも、ネット上に情報がないことが多いです。
そのため、どこに頼めばいいか分からないという問題が発生します。ヘッジファンドを騙る詐欺も少なくありません。どの会社が良くて悪いのか、一般投資家には判断しにくいのもデメリットの1つです。
ヘッジファンドを選ぶ時は、まずはすでに運用してもらっていて信頼できる人に相談してみましょう。そういう人がいない場合には、口コミだけで判断せずに、実際にファンドに問い合わせて情報を得ることも非常に有効です。
- その会社はどのくらい歴史があるのか
- どんなポリシー(投資手法・戦略)で運用しているのか
- 会社の資産規模や投資家からの預かり総額はいくらか
- 長期(最低10年以上)の平均運用利回りはどのくらいか
最低限まずは上記のポイントを確認してみましょう。設立して3年くらいしか経っておらず、預かり総額も少ない、長期の平均運用利回りも出せない場合は要注意ですね。
FXや暗号資産投資
自分で運用するときに選ばれやすいのがFXと暗号資産(仮想通貨)です。少ない資金でも一攫千金を狙える可能性がありますが、ゼロサムゲームになりやすく、一瞬でお金がなくなるリスクもあります。
ブロックチェーン、NFT、メタバース、DAOといった専門用語も登場して、政府もWEB3.0を推進しています。例えばデジタル庁ではWeb3.0研究会、経済産業省では「大臣官房Web3.0政策推進室」が設置され、関係各所で日々議論が行われています。
暗号資産(仮想通貨)はよく分からないから詐欺といった単純な話ではなく、将来的に無視できない分野なのは確かです。成長著しい分野に投資家として関わるのも大きな選択です。
ただし未知数な部分が多いのも事実なので、自分なりのポートフォリオを組んでから投資していきましょう。
まとめ – 適切な資産運用で、自分の資産を最大化しよう –
3000万円以上の資金を手に入れたらどうすればいいか、資産を増やす適切な投資手法を解説しました。
- 貯金だけでは資産は増えない
- インフレによる資産の目減りを防ぐには年2%以上増やさなければならない
- 給料だけでは厳しいので投資が必要
- 3000万円を投資する目的や出口を確認する
- 自分がとれるリスクを把握してポートフォリオを組む
- 特に投資初心者はプロ(ヘッジファンド)に任せる
- 「卵は一つのカゴに盛るな」を徹底して分散する
大きな金額なので失敗して損するのが怖い!となりやすいですが、何もしないのもリスクです。長期、分散を意識しながら、プロにも任せつつ自分の資産を最大化するための最適な運用スタイルを構築していきましょう。