BMキャピタルについて考える
今回は、注目ファンドであるBMキャピタル(BM CAPITAL)について、このファンドが本当にきちんと運用をしているのか、公的なデータを見ながら、その実態を詳しく調査していきたいと思います。
BMキャピタル(BM CAPITAL)への投資・運用に興味があるけれど、具体的にどんなファンドなのかよくわからない、きちんと運用されているのかが気になる、といった声を耳にすることがあります。
BMキャピタルはいわゆる大手の金融機関ではありませんし、「私募」のヘッジファンドのため、証券会社を通じて買うこともできず、投資するには直接契約する必要があります。
BMキャピタルのように、自社で募集しているヘッジファンドの場合、公開されている情報が少なく、調べてもあまり詳しい情報が得られないため不安に思うのも当然です。
そのためBMキャピタルへの投資に興味があっても「怪しいんじゃないか」と感じる人がいても不思議ではありません。
特に、ヘッジファンドについては、過去に詐欺事件やトラブルをニュースなどで目にしたことがある方の場合、その実態がきちんと把握できないと怪しいのではないかと疑問に思うのも無理はありません。
実際に、お金を集めるだけ集めて運用はせずに、入ってきた資金をそのまま配当として投資家に流しているだけの「ポンジスキーム」のような例もあります。
ポンジスキームとは
ポンジスキームとは、新しく得た出資金を既存の出資者(投資家)に配当金として渡すことで、あたかも運用しているかのように偽る詐欺の一種(その際に、投資家にはでっち上げられた虚構の運用報告が送られます)。チャールズ・ポンジ(Charles Ponzi)という詐欺師の名前が由来。
資産運用をする人が増えてきている中で、おすすめ/有力な投資先として注目を集めているヘッジファンドですが、「年〇〇%のリターン!」「手数料が安い!」などといった薄っぺらいアピールに目を向ける前に、まずは、安心して出資して(お金を投資して)良いのか判断することが非常に重要です。
ここでは「BMキャピタルが怪しいのかどうか」に焦点を当てて、調査・検証していきます。
また、BMキャピタルの信頼性を評価した上で、BMキャピタルがどんなヘッジファンドなのか、どんな運用で、どんなリスクがあるのか、具体的なパフォーマンスやリターン、おすすめできる/できないポイントなども紹介していきます。
BMキャピタルのポイント解説
ファンド概要
名称 | ビーエムシー合同会社 |
英名 | BMC LLC |
所在地 | 〒106-0032 東京都港区六本木7-18-1 |
事業目的 | (1)金融商品取引法に基づく有価証券及びデリバティブ取引 (2)各種事業への投資 (3)有価証券の自己募集 (4)経営コンサルティング業務 (5)前各号に附帯する一切の業務 |
参考:BMキャピタルHPより
BMキャピタルは東京都港区六本木にオフィスを構える、日本のヘッジファンドです。
おすすめの投資先/運用方法として注目度が上がっているヘッジファンドですが、元々は欧米が発祥で日本にはまだ数が多くありません。日本のヘッジファンドというだけでもBMキャピタルが注目される理由がわかります。
詳しくは次章『BMキャピタルの運用とは』で後述しますが、その高いリターンと安定した成績で評価が高く人気があります。
[検証]BMキャピタルの投資実態
日本のヘッジファンドとして注目のBMキャピタル(BM CAPITAL)ですが、海外のよくわからない投資案件に比べればかなりわかりやすいものの、自社募集であり公開されている情報も少ないため、「本当にきちんと運用しているのか?」「怪しい、詐欺ではないのか?」と疑問に感じる人もいるでしょう。
そこで、BMキャピタルが信頼できるヘッジファンドであるかを調べるために、実際にBMキャピタルがどんな運用をしているのか、どんなところに投資しているのかを調べていきます。
投資詐欺の多くは、子会社や関係会社や海外の支店がどうのこうのなどと言って、複雑なスキームを作り出して運用を複雑に見せかけ、実際には何にも投資せずに資金を持ち逃げするケースが一般的です。
つまり、逆を言えば、実際に投資しているかどうかがわかれば、そのファンドの信頼性を評価することができます。
とはいえ、BMキャピタルが具体的にどんな会社に投資しているのかを教えてくれるわけではありません。
ヘッジファンドのポートフォリオ(投資先)はそのファンド事業の根幹に直結するトップシークレットですが、BMキャピタルのように数十億円単位の資金を運用している場合、投資先の企業の大株主となっているケースも十分に考えられます。
例えば、世界的に有名な投資家ウォーレン・バフェットなどは、大量の売買をするたびにその投資先やポートフォリオがニュースになったりもします。
そこで、BMキャピタルについて実態を調査するべく、「EDINET」で社名「ビーエムシー合同会社」を検索してみました。
「EDINET」とは、金融庁が管轄する「金融商品取引法に基づく有価証券報告書等の開示書類に関する電子開示システム」のことです。
有価証券報告書や有価証券届出書、大量保有報告書等の開示書類にを、ネット上で誰でも簡単に検索・閲覧することができます。
実際に、BMキャピタル(ビーエムシー合同会社)についてEDINETで検索したところ、瀧上工業株式会社と株式会社大本組2社の四半期報告書の中で大株主として名前が上がっていることが確認できました(※2023年4月24日時点)
この結果からも、少なくともこの2社に投資をしていることは確実であり、きちんと運用しているファンドとしての実態があることがわかります。
ヘッジファンドBMキャピタル(社名:ビーエムシー合同会社)は、きちんと運用している実績・実態のあるファンドであり、詐欺などではないことが確認できました。
検証まとめ
金融庁のデータベースに登録されていることも確認でき、実際に複数の会社に大株主として名を連ねるほどきちんと投資している実態も確認することができました。
このことからもBMキャピタル(ビーエムシー合同会社)は、きちんと運用している=怪しくないヘッジファンドと評価できるでしょう。
では、そんな信頼度の高いヘッジファンドであることがわかったBMキャピタル(BM CAPITAL)について、
- どんな運用をしているのか
- 投資するとどんな強み / メリットがあるのか
- どんな人におすすめできる / できないのか
といった、出資を考える際のポイントについても解説していきます。
BMキャピタルの運用とは
BMキャピタル(BM CAPITAL)について、まずは要点となる以下の3つのポイントから確認していきましょう。
- 投資戦略・運用方針
- パフォーマンス
- 最低投資金額
投資戦略・運用方針
BMキャピタル(BM CAPITAL)は「資産を守る(損失を出さない)」ということを第一に、リスクを抑えた運用の中で成果を追求することをファンドの基本方針としていることがHPからわかります。
参考:BMキャピタルHPより
リスクを取ってガンガン大きなリターンを狙うのではなく、着実に運用していく中で、確かなチャンスをものにしていく運用方針のようです。
また、その「資産を守る」という運用方針を達成するための戦略として、「バリュー投資」を軸に投資先の選定、運用をしているようです。
バリュー投資は、会社の価値(=value)に着目し、資産価値に対して割安な株式に投資することで、値下がりするリスクを排除する考え方で、まさに「資産を守る」という方針に非常に適しています。
運用方針と投資戦略の整合性も高く、BMキャピタルがきちんとした運用をする高い専門性のある組織であることがわかります。
投資の世界には様々な理論や手法がありますが、BMキャピタルも採用している「バリュー投資」は、株式投資において最も基本的でありながら、まさに王道とも呼べる非常に由緒ある金融理論です。
チャートの上げ下げを追いかける「テクニカル分析」と対をなす、「ファンダメンタルズ分析」の一種に分類され、世界的な投資銀行や公的な金融機関なども主にファンダメンタルズ分析によって運用をしています。
個人レベルの投資家の場合、テクニカル分析による、いわゆる「デイトレード」に終始するしかありませんが、時間や労力をかけて正しい知識と理論に基づいたファンダメンタルズ分析(バリュー投資)でなければ、長期的な資産形成はできないと言われています。
パフォーマンス
「損を出さない」ことを基本方針としているBMキャピタル(BM CAPITAL)ですが、加えてバリュー投資を軸とし、「短期的な株価の乱高下に一喜一憂しない」というポリシーも併せ持っています。
バリュー投資には、割安な銘柄に投資し、株価が下がるリスクを回避する一方で、利益が得られる(=株価が上がる)までに時間がかかるという特徴もあります。
そんなバリュー投資を基本戦略に据えているBMキャピタルのパフォーマンスは以下のようになっています。
参考:BMキャピタルHPより
リターンが得にくいとはいえ、年平均で10%以上、直近6年間で資産価値2倍以上という、素晴らしい成績を修めているようです。
長期的に運用して資産形成を目的としているのであれば、このパフォーマンスは十分すぎます。
長期的に着実な資産形成をするために最適なパフォーマンス(利回り)については、以下の記事で詳しく解説しているので、興味のある方はぜひ参考にしてみてください。
関連記事:『
そして、最も注目するべきポイントが「過去にマイナスになった年が無い」という成績です。
いくら、バリュー投資を軸にリスクを抑えた運用をしたとしても、完全に損失を回避するのは並大抵のことではありません。
加えて、コロナショックで株価が20%以上も大暴落した、2020年の初頭でさえ、プラスで運用していたというのだから驚異的です。
おそらくBMキャピタルは、バリュー投資だけでなく、あらゆる可能性を考慮して様々なリスクヘッジの手法を駆使しているのだと考えられます。
コロナショックで、一度株価が大暴落して以降、日経平均は大きな回復を見せ、2022年に入っても、高値を維持しています。
株価の上昇に喜んでいる人も多いのかもしれませんが、これは単純な景気の回復などではなく、様々な金融政策によってもたらされている仮初の株価だという見方が金融業界全般の見識です。
つまり、中身のない株価は、今後大きく崩れる可能性も高く、安易に目先の利益に飛びつくと痛い目を見る危険性があるということになります。
このように株式市場全体が、不安定で不透明なときこそ、BMキャピタルのようにリスクを回避した運用を重視するべきなのかもしれません。
最低投資金額
BMキャピタル(BM CAPITAL)は自社募集で出資者を集めているため、投資家の数が制限されており、必然的に一人当たりが投資する金額も高くなります。
私募のファンドが、最低出資金額を高く設定しているのは一般的です。
BMキャピタルの場合は「1,000万円」を最低出資金額として設定しているようです。
BMキャピタルに投資するメリット
このように
- 資産が減りにくい(損をしにくい)
- 安定したリターンが得られる
- 年10%以上の成績が期待できる
という強みがあるBMキャピタルに投資するメリットは、ズバリ「プロに任せた安定した資産形成」です。
資産運用をする上で、重要なのは「長期・安定して」運用をし続けることです。これによって複利の効果が最大限に発揮され、リスクを抑えながらもしっかりとした資産形成が可能になります。
また、投資のプロが運用するヘッジファンドに預けることで、知識や経験がなくても、誰でも手間なく資産運用を始めることができるというメリットもあります。
資産運用をしていく上でハードルになるのが、株や金融に関する知識や経験が必要なことはもちろん、投資先を探したり、銘柄の分析をしたり、株や投資信託の売買をするための手間や時間(労力コスト)を確保することです。
ほとんどの人が投資で失敗してしまう理由の1つに、実は「きちんと投資に向き合えていない」というものがあります。
とはいえ、普段会社勤めをしている人が、投資に全力を尽くすことができないのは仕方がありません。
その課題を解決してくれるのが、BMキャピタルのような投資のプロに資産を預けて代わりに運用してもらうことです。
BMキャピタルがおすすめできる人/できない人
このように様々なメリットがあるBMキャピタルですが、長期的に安定した資産形成をしたいという人には非常におすすめできます。
「そこそこの収入・貯蓄があるけれど、何に投資していいのかわからない」
「よくわからないからついつい貯金してしまっている」
「自分で投資先を選んで/考えて運用するのは難しそう、自信がない」
「老後に備えて運用をしておきたい」
などという人にBMキャピタルは合っています。
また、ヘッジファンドに対して「複雑で難しい=上級者向け」というイメージの人もいるかもしれませんが、BMキャピタルのようにシンプルなスキーム(仕組み)のヘッジファンドはむしろ初心者にこそおすすめできます。
投資の経験も金融の知識もない初心者が、いきなり株式市場に飛び込むのはかなりハードルが高いでしょう。まずは、プロに任せてみるところから始めるのも1つの有効な選択肢です。
一方で、安定したリターンのBMキャピタルですが、年10%前後のパフォーマンスなので、短期的に一気にリターンが欲しい人には向いていません。
それに加えて、基本的に一度出資した資金を数年単位で運用してもらうことが前提のファンドなので、定期的に投資先を変えたい人や、自分であれこれ検討したい人にも向いていないでしょう。
それから、最後に重要なポイントとして、最低出資金額1,000万円のハードルがあるため、少額から運用を始めたいと考えている人も注意が必要です。
まとめ
ここまで見てきたBMキャピタル(BM CAPITAL)についての情報をまとめてみましょう。
- 金融庁管轄のEDINETで確認でき運用している実態がある
= 安心できるヘッジファンドである - 「資産を守る」鉄則の元、損失を出さないように運用するという基本方針
- リスク回避に最適な「バリュー投資」が基本戦略
- 低リスクながら「年10%」という安定したパフォーマンス
- 最低出資金額は1,000万円
- 長期的な資産形成に向いている
- 投資初心者 / 未経験者にもおすすめ
BMキャピタル(BM CAPITAL)は金融庁の所管の電子情報開示システムであるEDINETでもその存在 / 運用実態を確認できる信頼できるヘッジファンドです。
複数の会社の大株主としての実態があり、実際に運用されている=詐欺ではない、安心して出資できるヘッジファンドと見て問題ないでしょう。
もちろん、ファンドそのものの信頼感があった上で、運用面についても申し分なく、特に長期的な資産形成を考えている人や、自分で運用するのは不安で投資のプロに運用を任せたいと考えている初心者 / 未経験者にもおすすめできます。
BMキャピタルのHPにも、問い合わせフォームが用意されており、そこから連絡することもできるようになっています。少しでも興味のある人は、ぜひ一度問い合わせをしてみて、運用について相談してみるとよいでしょう。